2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ヤン・イクチュン監督『息もできない』

久しぶりに圧倒的な映画を観た。この圧倒的な映画的パワーをどう表現したらいいものだろう。何か原初的な表現したい欲望が、洗練された映画的なコードを通すことなしに、そのままの原初的な熱と質感をもって奇跡的に映像となったような映画、とでも言おうか。…

震災日記31

だいぶ震災日記の間が空いた。 日常生活を送っているぶんには、震災の直接的な影響はだいぶ少なくなった印象がある。個人的には6月中旬を過ぎた辺りから、平常のペースに戻り授業や雑事などが次々に入ってきて、余裕がなくなって来ている。ある意味で3月か…

今日は

レイトショーで映画「マイ・バック・ページ」を見に行く。妻夫木聡と松山ケンイチ主演の1960年代の学生運動を背景とした社会派ドラマ。感想は改めて後で書くとして、それが23:00頃に終わって外に出たら、駅前東口にたくさんの人が出ていてびっくりした。今…

スルギドゥン「夕方から夜明けが来るまで」(슬기둥 「그 저력부너 새벽이 오기까지」)

スルギドゥンの音楽がどこか聞き覚えがあるような気がしていたら、この「夕方から夜明けが来るまで」を何かで聞いていたことを思い出した。何かのテーマ曲だっただろうか。KBSの国楽番組だっただろうか。とにかくよく聞いていたことだけは確かである。 http:…

キム・ソヨン編『アジア映画の近代性と地政学的美学』

ようやく週末に至って、あちこちネットを見て回る。キム・ソヨンさんが編者となって『アジア映画の近代性と地政学的美学』を2009年に出していたことを知る。 2006年に出された『トランスアジア――映像文化』の第2弾ということになるらしい。この2弾目もアジ…

この頃

なぜか中国からの留学生とよく話をする。この春から直接指導学生に2人入ったというのが主な理由だが、今学期「中国・台湾・香港映画の理解」というテーマでの授業をやっているという理由もある。そんなわけで色々と話をする機会が多くなったわけだ。 今日は…

今日の一曲・スルギドゥン『ソグムジャンス』(슬기동 『소금장수』)

若手の国楽(韓国の伝統音楽)演奏者9名が作ったグループらしいが、現代音楽と大衆音楽との境界を超える活動をしているとのこと。「ソグムジャンス」は塩売り商人の若者のことを歌った歌。作詞は詩人のファン・チョンウォン(황청원)。 http://www.youtube.co…

最近は

担当の授業が増えたり、雑事が増えたりで、なかなか余裕がなくなってきている。震災3ヶ月を過ぎた頃(6月中旬ごろ)からそんな実感があったが、7月に入ってますます平常モードというのか、あれこれの雑事が飛び込むようになり震災以前の状態に戻ったかのよう…

『台湾文化表象の現在――響きあう日本と台湾――』

2009年に名古屋大学で行われた連続講演会を単行本にしたもののようです。台湾の作家たち(陳玉慧、朱天心)、文学研究者(張小虹、垂水千恵、梅家玲)などの論が収められているようです。 http://web.mac.com/mazuki/%E7%9C%9F%E6%9C%88%E6%B4%8B%E5%AD%90_Y…

ミン・ヘギョン「ある少女の恋の話/会いたい顔」(민혜경「어느 소녀의 사랑 이야기/보고 싶은 얼굴」)

あまりに懐かしいのでリンクしておきます。ちょうど大学院生時代に韓国語を習っていた頃、留学生のKさんからミン・ヘギョンのテープをもらい、毎日のように聴いていました。特に「ある少女の恋の話」は、歌の歌詞を必死になって調べて覚えた記憶があります。…

ジョン・テチュン「立ち上がれ烈士よ」(정태춘 「일어나라 열사여」)

ジョン・テチュンの「立ち上がれ烈士たち」。学生運動が盛んなりし1980年代の頃を思い出させます。ちょうどその頃、わたしも光州で日本語を教えていて、校門の前でよく学生たちがデモをしている現場に出くわしました。戦闘警察(機動隊のようなもの)の催涙…

佐久間孝正『在日コリアンと在英アイリッシュ』

在日コリアンの市民権や社会的権利に関して、在英アイリッシュとの比較を通して論じたもののようです。このような視点が強く要請されているように思います。 目次 1章 参政権への問いかけ 2章 イギリスのアイルランド支配 3章 日本の近代化と東アジア侵略…

福間良明『焦土の記憶――沖縄・広島・長崎に映る戦後――』

7月20日に発売だそうです。 http://www.bk1.jp/product/03428302 焦土の記憶作者: 福間良明出版社/メーカー: 新曜社発売日: 2011/07/19メディア: 単行本 クリック: 7回この商品を含むブログ (6件) を見る

福間良明『辺境に映る日本――ナショナリティの融解と再構築』

こちらに詳しい内容紹介があります。 http://www.eonet.ne.jp/~yfukuma/sub1.html 辺境に映る日本―ナショナリティの融解と再構築 (KASHIWA学術ライブラリー)作者: 福間良明出版社/メーカー: 柏書房発売日: 2003/07メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を…

今日は

中国の留学生から、台湾の作家で左派の評論をも書いたと言う陳映真についての話を聞く。大陸でもかなりの知名度があるらしい。 ウィキペディアによれば、魯迅の強い影響を受けたリアリズム小説を書いた作家とされる。「文学季刊事件(文季事件)」により10年…

coi-na「汗水節(あしみじぶし)」

沖縄の女性3人組ユニットcoi-na。残念ながらもう解散してしまったらしい。 http://www.youtube.com/watch?v=FZGK_ET-JgY coi-naのウェブサイト http://www.coi-na.com/index2.html

日出克「ミルクムナリ」

八重山・竹富島出身の日出克による「ミルクムナリ」。元はCMソングだったらしい。エイサーではよく使われる曲とのこと。こんな曲を聴くと、日本もなかなか奥深くて楽しいところだと再認識する。 http://www.youtube.com/watch?v=AUVsPu5gLaA&feature=related

中国の女優・陶紅のブログ

『ションヤンの酒家』(中国での原題は『生活秀』)で主演している陶紅のブログ。たまたま見つけました。 http://blog.sina.com.cn/taohongplace

今日感銘を受けた言葉

NHKスペシャル「巨大津波・医師の苦悩」で、石巻の赤十字病院・石野医師が震災から10日目の時点で窮状を訴えに仙台の宮城県庁にやってくる場面を映していた。石巻は食料も届いていない避難所が数多く、7万人分の食料を回してほしい、という訴えにきたのであ…

SHINee LUCIFER

SHINeeがこんなにすごい曲を歌っているとは知りませんでした。感銘を受けたので、リンクしておきます。 http://www.youtube.com/watch?v=Dww9UjJ4Dt8&feature=related

スーザン・ソンタグ『隠喩としての病い』

必要があって、スーザン・ソンタグの『隠喩としての病い』を読む。癌の持つ隠喩的イメージ、社会的イメージについて考える必要のため。 以前に読んだときには感じなかったが、この本がきわめて時事的な問題に触れている社会的文脈を持ったものであることに改…