『朝まで生テレビ』を見る

 
 論文も書けそうもないので『朝まで生テレビ』を見る。アベノミクスについての話題。アベノミクスの効果について批判しながらも皆一様にテンションが高くて楽しそうに話しているのが印象的。何しろアベノミクスとそれによる円安、株高が嬉しくてしようがないようだ。アベノミクス自体が心理的な効果を狙ったものだから、この反応は当然と言えば当然であるかもしれない。政権交代によってこんなに世相が明るくなるとは思っても見なかったことである。
 
 このような躁状態に近いテンションを見ると、いかに日本人が震災のことを忘れたいと思っていたのかがよく分かる。震災の後遺症を心理的に忘れさせてくれるものを求めていたと思えば、政権交代アベノミクスによる狂騒も理解できなくはない。自信喪失から急激な狂騒状態への変化。このような変化は何をもたらし何を意味しているのだろうか。
 
 地方と中央ということも再び考えさせられた。このアベノミクスによる浮かれようは中央が大きく、地方ではそれほど大きくはないように見える。この温度差の持つ意味もまた考えてみなければならない。
 
 何となくアベノミクスにしてもそうだが、この政権が地方への配慮や公共事業のばらまきを隠れみのにした新自由主義的、グローバル化至上主義的な性格のものに思えてきた。スマートで右派を装った新自由主義、それが高支持率を稼いでいる原因のような気がする。