選挙のこと

 
 現在繰り広げられている衆議院選挙については、あまり希望を見いだせないというのが本当のところ。今日の世論調査では自公で300議席越えという予想だから、おそらく自民党が政権に復帰することになるのだろうし、その際、公明党とそのまま手を組んで連立・連携をするのかが焦点となっていくのだろう。
 
 ただ、その結果に関してあまり絶望しないことにしたのは、今回の選挙にしてもあるいは前回の選挙(政権交代のあった2009年選挙)にしても、実はこのところの日本の状況は、韓国のそれの後を追いかけているように見えることのためである。軍事独裁政権の続いた韓国で、民主化の象徴であった金大中が大統領となったのは1997年、そしてその後の慮武絃を経て、保守系李明博が政権に復帰したのが2007年、というサイクルを実は日本は遅れてついてきている。
 
 つまり、この今回の選挙は進歩系(実際は進歩系でもなく中道系だろうが)の政権が続いた後の、その政権への反動、そして復古という意味合いが強い。その結果、以前の保守系の政治よりも硬直した、ある意味原理主義的な親米政権が誕生することになるだろう。そしてそれは社会を二極化し、分裂させることになるはずである。原発問題、TPP問題、改憲問題、等をめぐって意見対立は激しいものとなり、その結果デモが頻発することとなるだろう。このことは韓国のろうそくデモで、すでに見た所である。
 
 そしてこのような反動と復古とは、実は保守系の自滅を早める道でもあるということがある。この政権奪還によって自民党原理主義的な党として純化することで、歴史的な使命を終えるのではないかと思える。それに対抗する勢力が結集されることで、日本も二極化した政治構図が完成するのではないかと思える。右にシフトした新自民党と、反原発・反TPP・反改憲の勢力との構図である。そうなることでようやく希望の芽は見えてくるように思われる。絶望はまだ早い。