小さな奇跡

 
 世の中には時々奇跡が起きるものだが、2011年の3月1日にフェイスブックを使い始めたのも小さな奇跡だったのかもしれない。
 
 10日後に東日本大震災が起こり、その後の苦しい1か月――大学は閉鎖、街はほとんどすべての商店が店を閉じていた時期――をフェイスブックをすることで乗り越えられたのだから。奇跡というよりも何か運命の力のようなものだったのだろう。
 
 フェイスブックに寄せられた知人の見舞いや心遣いにその時期どれだけ心励まされたことだろう。考えてみれば遠方の知人や友人につながっていられるというのは本当にどれだけ人生を豊かにしてくれることか、それだけでも奇跡に近いことではあるのである。