震災日記18

 今日は書店に行って川村湊の新刊『福島原発人災記 安全神話を騙った人々』(現代書館)を買ってきた。震災後に急遽書かれた(書くことを思い立った)本で、わずか1ヶ月半での刊行だからすごい。3月11日から25日までの日録風になっているが、そうすると書いてから1ヶ月で本というものは刊行できるものらしい。とにかく早業である。
 
 本も読めない環境下で、インターネットを主な情報源として勉強しながら書いたということだが、とにかく内容よりもその行動力、実行力には驚く。日本でのアンガージュマンとはこのようなものを言うのだろう。
 
 内容はかなり私憤に満ちていて、言論人、原子力関係者、政治家の実名がきわめて詳細にあげられて、それぞれかなり辛口に貶されている。15日間の川村湊の私的な動きと、それらの原子力関係者らの動きとがパラレルとなって読めるようになっている。
 
 とにかく文学者としてありうる行動を示していて、興味深かった。川村湊をちょっと(かなり)見直した。