最近

 
 最近、本意ではないのだけれど忙しい日々が続いていて、なかなかブログの更新ができない。学会シーズンということもあって、週末ごとに出かけていてこの週末はまた東京へ行ってきた。日本映画学会の司会のため。
 
 映画学会は去年入会したばかりだが、なかなかスリリングで面白い。映画専門者の学会というよりも、文学など他分野の研究者が境界的に映画に接近するという色合いが強い(だいたい日本で映画専門の研究者はほとんどいないのである←映画学科の不在のため)ので、異分野混淆と言った色合いがあって面白い。
 
 今回はアジア映画のセクションがあって、そこの司会をしたのだが、植民地時代の韓国映画、そして現代台湾映画のナショナル・アイデンティティをめぐっての発表の2本でたいへん興味深いものだった。アジア映画の認知度は確実に上がっていて、討議もたいへん活発に行われた。そのうちアジア映画でのシンポジウムをしようというお話もあったほどである。
 
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 ところで、この数週間、秋の学会のパネル企画に携わっていて、難航しながらも少しずつ進んでいる。昨日、ようやく未定だったコメンテーターの件も落着して、今週中にはパネラー間の概要も揃いそうな段階にたどりついた。
 
 パネル企画、調整と言うのは思ったよりも神経を使う仕事で、色々な関係者の意図や言い分を聞きながら、進めていくしかない仕事である。時間も労力もとてもかかるのを今回やってみて初めて知った。前回、某学会でのパネルに対して批判的な意見を発言したのだが、考えてみればそこまでの労力だけでも膨大だったはずで、そこは改めて尊重しなければと実感した次第である。
 
 ところで、このパネル企画の仕事をしてから感情の起伏が激しくなって、嬉しいこと、悲しいこと、悩み事に一喜一憂することが多くなった。昨日も某氏を通じて問い合わせていたSさんがコメンテーターを引き受けて下さるという返事が来て、嬉しいというよりも信じられない思いをした。世の中は苦しいことも多いけれど、カタルシスに近いような嬉しいこともあるのである。おかげで最近涙もろくなった。「bag of tears」という感じ。