どうも

 
 この頃体調がおかしいと想っていたが、更年期障害かもしれないと思うようになった。動悸や発汗、睡眠障害など、どうも思い当たることが数多くあるのである。年末に震災の見舞いを恩師の先生からいただいて、それからどうも気分が優れない日々が続いたのだが、最初は震災の記憶が蘇ったためかと思っていた。
 
 しかし、冬休み中に睡眠が細切れで早く起きたりするのが続いて、どうも体調がおかしいことに気がついた。それからひどく小さなことに敏感となって、何を見ても心を動かされ感傷的になるのが自覚症状である。
 
 娘が大学に入学して4月から家を離れることもあって、人生の大きな区切りが近づいているということもある。インターネットで調べたところ、生活の変化が更年期障害の引き金となることもあるとのことである。
 
 普通男は更年期障害は軽いそうなのだが、どうも生活に支障を来たすくらいに感じ始めた。メランコリーにはまるとなかなか抜け出すことが難しいのである。震災メランコリー、更年期メランコリー、人生の転機のメランコリー、去年頑張りすぎたことの反動のメランコリーなどが複合してやってきたので、なかなか脱出するのが難しい。
 
 今日の夜、居間で娘といっしょにテレビを見ていたが(娘はiPadを見ていた)、たぶん憂鬱そうな顔をしていたらしく、更年期なんか心の持ち方だと説教された。気持ちを持ち替えて、元気になれということらしい。どうやって気持ちを替えたらいいかな、と聞いたら諦念するべき、との答えだった。諦念……、うーん、現実をそのまま受け入れろという意味でしょうかね。
 
 ちなみに、「諦念するべきだ」というのは娘の言葉そのままである。娘は帰国子女なので、会話に文語が時々混ざったりして笑わせてくれる。いつもおかしなことを言ったり奇抜な話をして笑わせてくれるのだが、それももうすぐ聞けなくなると思うとメランコリーの種となるのである。なんとも困ったものである。