中島敦

 を読み進める。今日は南島譚の諸作品(「夫婦」、「鶏」、「環礁」)。抜群に面白い。ギラ・コシサンという原住民の気の弱い男の話を語った「夫婦」はことにその中でも出色だと感じた。この原住民の語りを語る視線はただものではない。「鶏」でのマルクープ老人を語ってゆく視線も興味深い。